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戦争の話を聞かせてくれませんか (新潮文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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義父が話し始めた
義父は以前から戦争中の話をよくした。通信兵だった義父の戦争体験は、人の生死にかかわらないものばかり。
ところが最近、聞き手の私がこの本を読んだことでいろいろとコメントすることがあったために変化が起こったのか、あるいは年のせいか、「自分は何人もを餓死に追いやったかもしれない」といった内容を、私の娘に話したという。
食糧難に陥った隊員らは、現地(南方)に育った芋の生態系をよく知らずに根こそぎ掘って食べたために、その後の食糧に困窮し餓死者が出たといった内容だった。
義父は現在85歳。戦死した人のほとんどが餓死だった、とよく言っていた。寝言をいって飛び起きることがあるという父。まだ重いリュックを背負っていたのか、と胸が痛む。
生きていると、いろいろある。しかし、戦争だけはやってはならないと、何度も思う。
忘れてしまっていたこと
〜あの戦争の中を生き抜いた語り手の体験を、ありのまま記している。まるで、お茶を飲みながら祖父母の話を聞いているような感じだ。恐ろしい体験も残酷な出来事もあるけれども、恐怖によって戦争はいけないことだと教えるのではない。教科書に載っているような想像しにくい戦争ではなく、身近な人たちの日常のなかに入り込んだ戦争の姿。それは、たんたんと語〜〜られる(ようにもみえる)ゆえに想像をかき立てられる。そして、自分の身に照らして考えさせてくれる。もしもそのような時代に生きるのならば・・・。 この本のタイトルは、私たちに今必要な姿勢ではないだろうか。〜
戦争の陰惨さを突きつけられた―その2―
この本の中で語られている戦争体験において特筆すべき点は、国の政策によって行われている戦争という逃げ場のない状況の中にあって、生死の境目に立たされていても、人間の尊厳を必死に守ろうとする姿があるという事実です。このことは、戦争の悲惨さを伝えると同時に、私たちにとって、本当に大切なことは何なのか、生きるということがどういうことなのかを、無言のうちに教示しています。 現代の平和主義社会は、これら生き残った人たちが「こんな戦争はもう二度としてはならない」という強い決意のもとに作られ、戦争を経験していない私たちも、戦争に加担してはならないし、戦争は絶対にしてはならないと教育されてきました。だから、自衛隊をイラクに派遣することには、大きな矛盾を感じます。 この本は、聞き書きによって14人の戦争体験が書き記されています。強く反戦を訴えることなく、ありのままの事実がそのまま書き記されていることが、余計に戦争の陰惨さを深く伝えています。この本が多くの人に読まれて、戦争をせずに平和を維持する尊さを感じてほしいと強く思います。
戦争の陰惨さを突きつけられた
ショックでした。ついこの間まで生きていた人たちが、そして、いまも生きている人たちが、こんなに重たいものを抱えて暮らしているなんて。いまの私たちの暮らしからは、想像もできません。自国でも他国でも、血肉にあふれかえる世の中を、自らの決断によって作り出すようなことは二度としてはならないと、この本を読んで強く思いました。この本の中の老人たちが語った戦争のむごたらしさを、私たちは、この先も絶対に経験したくない。こんな犬畜生にも劣ることをよくもやらせたものだと、これがいまいる自分の国のことなのか、と、疑います。戦争を体験し、辛い思いを乗り越えてきた人々のことは尊敬します。しかし、戦争はむごい。耐えられない。人の道を知る人のなすことではありません。これを教えてくれたこの本の中のご老人の方々と著者に、心から敬服します。
新潮社
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